顎関節のトラブルが全身の骨格の歪みに繋がる
骨格のゆがみが、血管や神経を圧迫し、全身に不快な症状を起こすことは、皆様もご存知のことと思います。一般的に診られる骨格の歪みは、「筋肉」や全身を覆う「膜」に原因があります。(骨そのものが悪いのではなく、骨を動かしている筋肉や膜のトラブルであることがほどんどです)
その筋肉や膜に問題を起こす基礎的な原因は、大きく分けて2つのルートが考えられます。
1つは、食べるときの「噛み癖」や「あごの大きさや形」や「歯並び」などの影響で起きる顎関節のトラブルから発生するルートです。
人間が生きている限り、食べることをやめるわけにいかず、そして食べるたびに、顎関節への負担が増えていき、そのゆがみが頭蓋骨に伝わり、頸椎→胸椎→腰椎→仙骨・尾骨へと伝わり、骨盤の歪みにも影響を与えるという構図です。
顎関節のトラブルは、顎だけの問題では済まないのです。顎関節に影響を与える重要な要素として、感情(多くの怒り、不自由、自己抑制、本当の自分を表現してはいけないという恐れなど)も挙げられます。
寝ている間にそれらの潜在的感情エネルギーを発散させる手段として「歯ぎしり」や「歯の噛み締め」が起き、その力が強すぎて、歯や歯茎の痛みを起こす人もいます。
精神的に「歯を食いしばって生きる」ことが限界に達すると、肉体的には「顎」に問題が起きてきます。
顎関節のトラブルは、顎を動かすたびに頭蓋骨に伝わり、自律神経やホルモンバランスをつかさどる視床下部や脳下垂体に影響します。さらに脳脊髄液の流れにまで影響が広がり、頭蓋骨と一緒にリズム正しく動いている仙骨の動きが異常になります。こうして、「顎」のトラブルは脊椎にまで悪影響を及ぼすのです。
もう1つのルートは、歩くことによって足底筋(足の裏の筋肉)バランスが狂い、その狂いが膝・股関節・骨盤へ上がっていくものです。
食べること(顎を使うこと)や、歩くこと(足裏の筋肉を使うこと)といった日常の当たり前の動きの中に、骨格の歪みの原因が隠れています。